寒い日が続きますが、少しずつ日も長くなり、外で過ごす季節が待ち遠しくなってきました。キャンプや釣り、海辺で過ごす時間を、そろそろ意識し始める時期ではないでしょうか。
テントやエアマット、防水バッグ、スナック菓子。
普段何気なく使っている製品の多くは、製造工程の中で溶着や溶断といった加工技術によって仕上げられています。溶着や溶断は生産設備の中の一工程として行われるため、その工程や装置が表に出てくることはほとんどありません。
一見、暮らしとは関係なさそうに見える当社の技術も、こうした製造工程の一部として、日常のさまざまな製品づくりに関わっています。本コラムでは、身近なレジャー用品や日用品を例に、そうした加工技術の一端をご紹介します。
レジャー用品は「つなぎ目」が重要
レジャー用品の多くは、軽さや携帯性、防水性、気密性が求められます。
そのため、縫うのではなく「溶かしてつなぐ」という選択が取られる場面が少なくありません。素材や用途に応じて、
といった工法が使い分けられています。
キャンプ用品に使われる溶着技術

テント・エアマット・エア枕
テントの大判シートのつなぎ目や、エアマット・エア枕の外周部には、気密性と耐久性が求められます。これらの部位では、高周波溶着(高周波ウェルダー)が使われることがあります。広い面積を均一に加熱できるため、仕上がりのばらつきが少なく、空気漏れを防ぎやすい点が特長です。
保冷剤・ウォータージャグ
保冷剤のキャップ部分や、ウォータージャグの一部パーツには、超音波溶着が使われています。狭い範囲を短時間で安定して溶着できるため、量産工程に向いています。
海辺・屋外レジャーに使われる加工技術

ルアー・防水バッグ・防水ケース
海辺や屋外で使われる道具には、水や湿気への耐性が欠かせません。ルアーの外周部や、防水バッグ・防水ケースの接合部では、防水性を確保するために溶着加工が用いられることがあります。
縫製だけに頼らず、素材同士を溶かして接合ことで、水の侵入を抑えつつ、外観もすっきり仕上げることができます。用途や素材に応じて、高周波溶着や超音波溶着が選ばれます。
救命胴衣(ライフジャケット)・大型ゴムボート
救命胴衣(ライフジャケット)や大型ゴムボートといったインフレータブル製品では、空気を保持する構造が機能の前提となります。
加工工程には、外周部の接合に加え、空気を入れるためのバルブと本体をつなぐ部分など、複数の溶着工程が含まれます。
自転車の反射板・フルフェイスヘルメットの加工
自転車の反射板や、フルフェイスヘルメットの部位のカットには、設計形状に沿った安定した加工が求められます。
こうした部位では、レーザ加工による穴あけやトリミングが使われることがあります。切断面がきれいに仕上がり、設計通りの形状を再現しやすい点が特長です。
通年で使われる身近な製品にも
ネックピロー・圧縮袋

ネックピローや衣類用の圧縮袋は、空気を出し入れする構造を持つ製品です。気密性が重要なため、エアマットなどと同様に、溶着加工が品質を左右します。
圧縮袋では、チャックやバルブといった複数の接合部があり、これらを安定して接合できるかどうかが、
繰り返し使用した際の耐久性に大きく影響します。
競泳用水着・レインウェア

競泳用水着では、水の抵抗をできるだけ抑えるため、超音波ミシンなどによる溶着加工が用いられることがあります。縫い目の凹凸を減らすことで、水中での抵抗低減を図ります。
一方、レインウェアでは水の侵入を抑えるため、溶着技術が使われています。
ランドセルの型押し

ランドセルのロゴや模様には、型押しによる加飾が施されます。
この工程では素材を局所的に加熱しながら成形することで、見た目の美しさと日常使用に耐える耐久性の両立を図っています。
食品パッケージにも溶着は欠かせない

レジャーやアウトドアだけでなく、日常の食品パッケージにも溶着技術は使われています。
――コーヒー瓶の内蓋、ティーバッグの本体と紐のつなぎ目、スナック菓子のパッケージ――
これらは、超音波溶着や高周波誘導加熱装置の代表的な用途です。安全性や衛生面が重視される食品分野でも、欠かせない加工技術となっています。
見えないけれど、確かに使われている
精電舎電子工業の装置は、製品づくりの工程を支える生産設備のため、普段の生活の中で目にする機会はほとんどありません。しかし、レジャー用品から日用品、食品パッケージまで、さまざまな製品の製造工程で使われています。
製品づくりの現場では、一つの加工方法だけにとらわれず、用途や素材に応じて、別の工法を検討することで、より適した方法が見つかることも少なくありません。
こうした視点で身の回りの製品を見てみると、暖かい季節を楽しむ道具の裏側にも、さまざまな加工技術が使われていることに気づきます。普段使っている身近な製品を、少しだけ違った視点で見てみることで、新しい気づきが生まれるかもしれません。
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