業界別の導入事例

精電舎電子工業の技術に1日1度は触れています。
樹脂製品には様々な形状や用途があります。その加工を行う溶着・溶断技術にも、超音波・高周波・レーザ・電磁誘導・振動など様々な種類の工法が存在します。
どのような製品にどの工法が利用されているかを業界別にご紹介します。

自動車業界

自動車をはじめ、人の命に関わる製品は高い品質が求められる一方で、生産性の向上や小型・軽量化も求められています。また、自動車は総合産業でもあり、金属やプラスチック、そして金属に代わる新素材CFRP,CFRTPなどが、ありとあらゆる部品に使われ、その溶着・溶断・接合に様々な溶着機が使用されています。

内装

製品

ドアトリム・ルーフ・エンブレム・フロアマット・ピラー・サンバイザーなど

説明

内装部品は最も手に触れる部分であり、表面(意匠面)の仕上がりにも気を配る必要があります。また、オプション対応でのアッセンブリ部品の変更による段取り替えなど、生産工程の効率化も考慮した工法選定を行います。アッセンブリ部品の隙間や表皮へのダメージの無いボスカシメ、皺やヨレの無い表皮巻き込みを実現します。

使用される工法

レンズ・外装

製品

各種レンズ・バンパー・スポイラーなど

説明

キレイな外観はもちろんのこと、強度や気密・水密性、寸法精度が求められる部品です。デザイン性の向上により、複雑化する部品形状にも対応可能です。レンズでは、振動に弱いLEDの固定にはインパルスウェルダーを使用しています。また、レンズ等取付用ボルトを電磁誘導工法でアウトサートしています。バンパーに対するセンサー設置用の穴開け加工には、超音波やレーザが採用されています。

使用される工法

機能部品

製品

シリンダーヘッドカバー・パーキングブレーキ・ウォッシャーノズル・エアバッグ、シートベルトなど

説明

自動車の基本機能や安全をつかさどる部品にも溶着機は使用されています。強度や機能性の確保はもとより、加工における繰り返し精度の高さや溶着結果の保存によるトレーサビリティの確立が可能である点で採用されています。

使用される工法

エンジンルーム

製品

インテークマニホールド・各種タンク・フィルター・端子など

説明

高温、多湿、振動などの劣悪な環境下での動作を要求される部品です。耐圧力や難燃性、防爆性に優れた材質を使用されることが多く、最適な溶着工法を選定する事が重要です。

使用される工法

タイヤ

製品

タイヤゴムの切断

説明

タイヤ用のゴムは分厚く靭性に優れており、通常の刃では容易に切断する事は出来ません。また、切断面は平滑であることが求められます。超音波カッターは溶断の要素を併せ持ち、超音波振動により刃側面の摩擦抵抗を軽減することによって、スムーズで平滑な切断を実現します。

使用される工法

医療業界

確かな品質を求められる医療業界は、技術の発展に伴う多様化と共に求められる条件も多様化しています。溶着強度や気密・水密性の確保はもとより、樹脂バリや粉の発生も制限されます。また、安全性の観点から製造工程のトレーサビリティも重要視されています。医療機器の性質や品質要求に合わせ、溶着・溶断の総合メーカーとして最も適した工法を選定します。

衛生

製品

マスク、サージカルガウンなど

説明

使用者や周囲の安全を守るため、確かな強度が必要となります。また、消耗品であるこれらの製品は生産スピードも求められます。超音波ミシンでは、ワークを送り出しながら連続溶着が可能となります。

使用される工法

医療器具

製品

ダイアライザー・注射器・細胞培養器材、血液パレット・注射針・体温計・血圧バンド・医療廃棄物入れなど

説明

高い安全と品質を要求される器具にも溶着機は使用されています。強度や機能性の確保はもとより、加工における繰り返し精度が高く、溶着結果の保存によるトレーサビリティの確立が可能です。

使用される工法

チューブ・コネクタ

製品

カテーテルチューブ・バルーンカテーテル・点滴筒・各種コネクタなど

説明

チューブの繋ぎ目に段差の無い突合せ溶着や、気密性の高い溶着が可能です。様々な工法により、多様な形状にも柔軟に対応致します。

使用される工法

医療用バッグ

製品

輸液バッグ、パウチ、パッケージなど

説明

液体や粉末などを充填した後のシールでは、超音波振動でシール部の残留物を押し出すことで気密性を確保した溶着が可能です。高周波では特に表面への影響を抑えた溶着が可能となります。

使用される工法

衛生用品

衛生用品の多くは消耗品であり、生産スピードを求められる製品です。超音波をはじめとした溶着機は、短時間で確かな溶着を行うことができるため、高い生産能力を追求出来ます。

ウェルネスケア

製品

大人用おむつ・マスク・衛生シート・歯ブラシ、舌ブラシ・ゴム手袋など

説明

不織布製品は超音波による連続溶着が可能です。また、歯ブラシなどの成型品においても短時間での気密溶着を可能とします。塩化ビニール製の手袋には高周波溶着が使用されています。

使用される工法

フェミニンケア

製品

生理用ナプキンなど

説明

溶着パターン(柄)やスポット溶着により、柔らかさを保ちながら気密性のある溶着を実現します。超音波を用いたカットでは、端部のほつれ防止にも効果を発揮します。接着剤を使用しない溶着はデリケートゾーンで使用される製品に適しています。

使用される工法

ベビーケア

製品

乳児用おむつ・乳児用湯温計など

説明

敏感なお肌のために、接着剤を使わずに柔らかさを保った溶着は欠かせません。吸水層やシート、ファスナーについても超音波での溶着が可能です。それぞれの溶着パターンにより、着心地を損なわず強度と気密性を実現します。湯温計などにおいても気密・水密性の高い溶着が可能です。

使用される工法

日用品

日用品は用途が多岐に渡り、それぞれに求められる要件が異なります。機能や安全を守るための強度、気密性、寸法精度はもとより、外観の美しさも確保する必要があります。当社は多様な溶着技術で製品に適した工法を提供しています。

家電・生活用品

製品

冷蔵庫・掃除機・洗濯機・エアコン・加湿器・便座・浄水器フィルター・冷水筒・照明カバーなど

説明

多彩なデザインと多様化する機能に応じて部品は小型化され、形状は複雑になっています。それぞれの要件に適した工法を選択することにより、効率的で高品質な生産を行うことが可能です。

使用される工法

レジャー・イベント用品

製品

保冷剤・テント・浮きわ・ルアー・樹脂食器・ビーチボール・ヘルメット・サイン・バナーなど

説明

屋外で使用される製品が多く、高い耐久性と気密性(水密性)が必要とされます。接着剤を必要としない各種溶着工法は、対候性に優れた材質の特性を溶着部においてもそのまま活かすことができます。

使用される工法

照明・音響機器

製品

LED照明カバー・浴室照明カバー・冷蔵ケース照明・スピーカー・イヤーホンなど

説明

機能性やデザインによる多彩な形状とサイズにも対応します。電磁誘導では、スピーカーネットの加熱インサートが可能です。

使用される工法

文具・オフィス

製品

クリアファイル・ネームバッジ・インクカートリッジ・オフィスチェア・ランドセル・トナーカートリッジ・インクタンクなど

説明

短時間での溶着と繰り返し精度の高さにより、大量生産品の溶着に適しています。超音波はボールペンのゲートカットにも使用されており、電磁誘導はサインペンの芯のプレヒートなども行っています。

使用される工法

玩具

製品

プラスチック製玩具、ビニール製玩具

説明

乳児や幼児の口に触れることも考慮し、接着剤を使用しない溶着が適しています。超音波による樹脂成型品溶着や、高周波によるビニール製玩具の溶着を行っています。

使用される工法

エレクトロニクス

繊細な部品が内蔵されるエレクトロニクス製品は、機能や安全を守るための強度、気密性、寸法精度など、再現性の高い品質が求められます。多様化する製品に応じて、総合的に工法を提供しています。

コネクタ・端子

製品

コネクタカバー・各種端子など

説明

機能に応じて多様化する形状にも柔軟に対応します。超音波によるハンダコーティングや、金属接合では線材と端子の直接接合が可能です。

使用される工法


  • 超音波溶着

  • 超音波金属接合

筐体

製品

センサー・インバータなど

説明

外観を傷つけず、短時間での溶着が可能です。また、点数の多いナットインサートでは加熱時間の短い電磁誘導が適しています。

使用される工法


  • 超音波溶着

  • 電磁誘導加熱

記憶媒体・半導体

製品

メモリーカード・SDカード・半導体キャリアテープなど

説明

内蔵部品との距離が近く、筐体も薄いため非常にデリケートな製品です。繰り返し精度の高さとデータ分析による溶着条件の最適化により、歩留まりの良い生産を実現します。

使用される工法


  • 超音波溶着

レンズ・ガラス

製品

レンズ・薄板ガラス・導光板など

説明

衝撃に弱く、微細な傷も不良となるこれらの製品は、固定方法も限られています。超音波による外周カシメ(スウェージング)では、短時間でガタツキのない固定が可能です。また、レーザによる切断は非接触であるため傷や割れなどの損傷リスクを最小限に抑えることが可能です。

使用される工法


  • 超音波溶着

  • レーザカット

セラミック

製品

セラミック・ALN基盤など

説明

レーザによる加工は、基板に対し機械的ストレスを与えず、マイクロクラックを最小限に抑えることが可能です。スクライブ、ハーフカット、フルカット、穴あけなど、設定により様々な加工に対応します。

使用される工法


  • レーザカット

バッテリー

自動車や電子機器など、小型化も進むバッテリーの活躍の場は年々広がり、性能向上に伴う材料の変化や製造プロセスも変化しています。この変化に対応し不良率を抑えた再現性の高い生産とトレーサビリティの確率には超音波が適しています。

バッテリー部品

製品

二次電池フレーム・ケース・バスバー・箔接合・端子など

説明

超音波金属接合では、銅箔やアルミ箔を積層した状態での直接接合や、端子・バスバーの接合など熱影響による特性変化を最小限に抑えた接合を実現します。

使用される工法

包装・容器

保存のためのシール性、バリア性を保った溶着が必要となります。また、使用時に安易に開封できるなど、用途によって溶着強度の調整を求められる製品です。

アルミラミネート・フィルム

製品

ペットフード・レトルト・個包装・フィルム包装など

説明

ヒートシールでは、食品を充填した後のシール部での噛み込みが課題となります。また、フィルムを挟んだ状態で設備が停止すると、溶けたフィルムがヒーターに張り付き、清掃の手間が発生します。超音波振動ではシール部の残留物を押し出すことで気密性を確保した溶着が可能です。また、超音波ホーンは加熱されないため、設備停止時の張り付きリスクもありません。超音波はチャック潰しにも利用されています。

使用される工法

ドリップ・ティーバッグ

製品

ドリップバッグ・ティーバッグ・カプセル

説明

用途に応じた溶着強度が求められる製品です。輸送時には剥がれず、使用時には容易に開封できるイージーシールが可能です。ドリップバックでは溶着箇所の表に紙が使われることが多く、伝達溶着が可能な超音波が効果を発揮します。

使用される工法

スパウト

製品

飲料用・詰め替え用・ガス抜きバルブなど

説明

包装フィルムに対して、成型したバルブや排出口を溶着します。成形品とフィルムが接している界面にて発熱させるため、印刷面への熱影響を抑えることが可能です。様々な形状に対応し、バリア性も損なわずに溶着することができます。

使用される工法

ブリスターパック

製品

日用品・電子製品・菓子など

説明

日用雑貨や電子部品、菓子類などにも利用される包装のため、形状やサイズも異なります。商品陳列用の簡易包装から盗難防止まで、その用途も様々です。溶着機は設定条件により溶着強度の調整が可能であるため、多種多様な要求にお応えします。

使用される工法

チューブ・ボトル

製品

化粧品・歯磨き粉・調味料など

説明

液体や粉末などを充填した後のシールでは、超音波振動でシール部の残留物を押し出すことで気密性を確保した溶着が可能です。高周波では特に表面への影響を抑えた溶着が可能となります。また、瓶詰インスタントコーヒーやマヨネーズの封止(アルミラミネートフィルムの加熱)では高周波誘導加熱が使用されます。

使用される工法

物流包装

製品

段ボール・プラダンなど

説明

紙製段ボールは超音波カッターでの切断により、切り屑を減少させることができます。また、商品固定用のフィルムを溶着することで、緩衝材を使用することなく製品を保護することが可能です。プラダン(プラスチック段ボール)の組立工程にも溶着機が使用されています。

使用される工法

食品業界

フードロスの削減や人員不足の解消が課題となっています。超音波による切断加工は、付着や切りクズが少なく自動化にも適しています。

フードカッター

製品

和菓子・洋菓子・ケーキ・かまぼこ・舞茸・バター・ソーセージ・ハム・パン生地・クッキー生地など

説明

超音波振動により、接触面の抵抗を減らし刃への食材付着が低減します。そのため食材を崩さず、引きずることなくカットすることが可能です。刃への付着低減とともに、切りくずも減少するため清掃工程の削減に貢献します。

使用される工法